サッカースターの技術・戦術解剖
第56回 ケイロル・ナバス
<大舞台に強い>
ケイロル・ナバス(パリ・サンジェルマン)は、現代のベストGKの一人だ。
アリソン・ベッカー(リバプール)、ティボー・クルトワ(レアル・マドリード)、ダビド・デ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)、エデルソン(マンチェスター・シティ)、ヤン・オブラク(アトレティコ・マドリード)など、安定して高い評価を得ているGKたちとの比較で、ナバスが図抜けているのはビッグタイトルの数である。
レアル・マドリードでは2015-16シーズンから3年連続でチャンピオンズリーグ(CL)優勝を果たしている。CONCACAF(北中米カリブ海サッカー連盟)のプレーヤーとしてヨーロッパで最多16の優勝を勝ちとった。メキシコの英雄でありバルセロナで活躍した、ラファエル・マルケスを抜く最多優勝回数である。
もちろんGKとしての能力も図抜けている。とくにシュートストップにおける技術とアジリティはすばらしく、レバンテでプレーしていた2013-14シーズンは、リーガ・エスパニョーラで最多のセーブを記録し、セーブ率は78%。リーグの最優秀GKに選出されている。PKストッパーとしても有名で、およそ半分以上のPKを不成功に終わらせている。
身長185cmはGKとしては大きいほうではない。近年のGKに要求される足下のテクニックは、フィード力ではエデルソンなどには及ばないかもしれない。だが、ナバスはシュートを高確率で防ぎ、高いボールにも強く、何と言っても「勝てるGK」で大舞台に強い。
2014年ブラジルW杯では、コスタリカ初のベスト8進出に大きな役割を果たしている。この大会でナバスは3試合でマン・オブ・ザ・マッチ(MOM)に選出されているのだ。グループステージのイングランド戦、ラウンド16のギリシャ戦、そして準々決勝のオランダ戦は敗れたにもかかわらずMOMだった。ナバスの存在なしに、コスタリカのベスト8は考えられなかった。
「勝てるGK」ケイロル・ナバス、驚きのタイトル数。乗り越えた試練も多数 - sportiva.shueisha
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