海底に刻まれた手がかり
私たちの地球を覆うプレートはたえず移動を続け、それに伴って山が隆起し、谷が削られる。英リーズ大学でプレートモデルを作成するアンドリュー・メルディス氏によると、海もまた「アコーディオンのように」開いたり閉じたりを繰り返している。 プレート運動を起こしている原因の一つが、海底にある「沈み込み帯」と呼ばれる場所だ。ここでプレートは別のプレートの下に沈み込み、陸地もそれにつられて引っ張られる。すると、両側のプレートにのっている陸地の間隔が狭まり、その間にある海が小さくなる。沈み込んだ海洋プレートは、地殻の下のマントル内でリサイクルされる。 陸地同士はやがて衝突し、海は消滅する。冒頭の石板もそうやってできたもので、米国ニュージャージー州オグデンスバーグで採取された。その昔、北米大陸の前身である大陸と古代の別の大陸が衝突し、間にあった海が消えた。衝突の影響で海底の堆積層は高温高圧で熱せられ、例の石板が出来上がった。 だが、陸上で古い海底の残骸が見つかることは珍しく、それだけで海の変遷を知ることは難しい。そこで一部の科学者が注目したのが、海底に刻まれた磁性鉱物の記録だった。 海洋プレートは、中央海嶺に沿って生まれる。中央海嶺は海の底にある山脈で、それぞれの大洋を通るその尾根は、全長6万5000キロにも及ぶ。この海嶺で誕生したプレートは左右に離れて行き、そこにはさらにマントルから高温の岩石がせり上がってくる。 この岩石の中に含まれている一部の磁性鉱物が、外に出ると地球磁場に向きに沿って冷え固まる。地球の磁場の向きは時折逆転し、そのたびに岩石の磁気も向きが変わる。こうして海底には磁気の向きが異なる岩石の線が交互に現れ、バーコードのような模様を描き出す。科学者はこのバーコードをもとに、海の形がこれまでどう変わってきたかをたどることができる。
数億年後、地球の海はどうなるのか? 地球の海の変遷をたどってみた(ナショナル ジオグラフィック日本版) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース
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