オーストラリアの最大都市シドニーで30日、新型コロナウイルス対策のロックダウンが1カ月延長され、兵士数百人が動員された。6月に発生したデルタ株の大流行により、これまでに3000人近くが感染し、9人が死亡している。
オーストラリア国防軍(ADF)の兵士は警察と連携し、感染のホットスポットで、市民が自宅から10キロ圏内までとする移動制限などのルールを順守しているか確認する。
シドニーでは6月末から5週間にわたりロックダウンが敷かれたものの、感染拡大に歯止めがかかっていない。30日には新たに170人の感染が確認された。
兵士の動員をめぐっては強引なやり方だとする声や、軍の介入の必要性について疑問が上がっている。
ニューサウスウェールズ州のデイヴィッド・エリオット規制・非常事態相は、ごく一部のシドニー市民が「自分にはルールは適用されない」と考えていることから、今回の対策が有効だとした。
保健当局の情報によると、新型ウイルスは主に、認められている人の移動によって広がった様子。
軍投入に批判の声
市民権団体「オーストラリア弁護士同盟」は、兵士の動員は自由民主主義において「憂慮される」軍の利用だと指摘した。
シドニーでの感染流行は西部や南西部郊外の貧しい地域で、主に不可欠な仕事に就く人や大家族に影響を及ぼしている。
これらの地域はすでに「対象を絞った」取り締まりに直面し、シドニーの他の地域よりも厳しい規制が敷かれているとの批判の声が上がっている。
西部カンバーランドのスティーヴ・クリストウ市長は、「この街の住民は最も貧しい部類の人たちで、前から槍玉(やりだま)に挙げられて、疎外されていると感じている」と述べた。
「住宅ローンや家賃、食費を支払う余裕もなく、仕事もできずにいる。こうした人たちにとって、軍隊が投入され街が封鎖されることは大問題だ」と、クリストウ氏は豪SBS放送に語った。
また、ワクチン接種を加速し、打撃を受ける地域への支援を強化するよう、政府に求める声も上がっている。
オーストラリアのワクチン接種率は依然として成人人口の17%と、経済協力開発機構(OECD)加盟国の中でも最も低い水準にある。
ロックダウン延長の豪シドニー、兵士数百人を動員 規制順守を強化 - BBCニュース
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