毎日報道される陽性者数と重症者数、病床使用率だけでは見えてこない合理的なリスク判断の材料となる数値データをピックアップ。医師と医療ジャーナリストに、その見方と意味するところを聞いた。
コロナ第5波で求められるリスク判断
新型コロナウイルスの第5波が終息に向かうなか、政府は2021年9月27日、東京や大阪など19都道府県で発出されていた緊急事態宣言を、9月30日で解除する方針を発表した。 政府がこのタイミングで大きく方針転換を図りたいのも頷けるが、今後はこれまで以上に、個々人の「判断」で日常生活を送ることが求められるということだ。 だが、テレビをつければ毎日のように新規陽性者と重症者の数ばかりがさかんに報じられ、ネットを検索するとコロナ関連のデータは溢れんばかり……。本当に必要な情報は何なのか? どのようにデータを拾い集めれば、より正確なリスク判断に繋げられるのか?
感染実態がわかる数値とは?
その見極めは難しいが、医療専門紙記者を経てフリージャーナリストになった村上和巳氏は「まずは感染状況を把握する重要な数値として、現時点で1人の感染者が何人に感染させているかを示す、実効再生産数を見るべき」と話す。 「実効再生産数は短期間で極端な乱高下はしないので、現在進行形の感染状況を把握しやすい数字です。何もしないノーガード状態の基本再生産数は、従来株で2.5ぐらい。デルタ株は5~8ぐらいとされています。東京では8月25日以降、1を下回っており、そのタイミングで新規感染者数がピークアウトしたと見ていいでしょう」 【実効再生産数(全国)=0.6】 「1人の感染者が何人に感染させるか」を表す。「(直近7日間の新規陽性者/その前7日間の新規陽性者)」。9月27日現在
検査陽性率が高いことは何を意味する?
さらに村上氏は、市中での感染リスクを知るために、「検査陽性率も注目すべき」と話す。検査陽性率の上昇は、感染者の増加に対し、検査数が追いついていないことを示し、一般的には検査数や新規陽性者数の妥当性を測る指数とされているからだ。 「検査陽性率は5%以下だと検査数は足りていると一般的には言われていますが、たとえば新しい感染力の高い変異株が登場してきたときは、検査数に不足がなくても陽性率は大きく上がる。なので、10%未満なら許容できると考えていい」 陽性率は、新規感染者数報告に占める若年層の割合とあわせて見ることで、市中での感染リスクを知ることができるという。 「そもそも検査陽性率は自覚症状がある人が検査に行った結果の数字で、ざっくり言うと3分の1は発症しないため、この人たちは捕捉できていません。そして、この無症状の人は若年層ほど多い。第5波においては検査陽性率が20~10%以上と高い日が続き、かつ若年層の感染が増えていたので、街中に無症状感染の人が多く出歩いていると推察できました。そのような状況では、特に感染リスクの高い人は、警戒レベルを上げる必要がある」 【東京都の陽性率=4.0%】 検査数の過不足を示す数値。7日間の移動平均。9月27日現在
コロナ感染の実態がわかる、報道されない“7つの数字”。感染者数だけではわからない(bizSPA!フレッシュ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース
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