
ドイツで感染症対策にあたる政府の研究機関は4日、ドイツ国内の新型コロナウイルスの新規感染者が3万3949人に上ったと発表。1日の感染者数としては最も多くなりました。
一方、日本では全国の感染者数がことしに入って最も少ない水準が続いています。新規感染者数は31の都道府県で減少傾向が続く一方、千葉県など16の県では低い水準ではあるものの、下げ止まる傾向が見られています。
ドイツ「第4波が本格的に到来」

ドイツで感染症対策にあたる政府の研究機関は4日、ドイツ国内の新型コロナウイルスの新規感染者が3万3949人に上ったと発表し、去年春に感染が拡大して以降、1日の感染者数としては最も多くなりました。

ドイツでワクチンの接種を終えた人の割合は人口の66.9%で、ワクチンの接種に消極的な人もいて、このところ接種率が伸び悩んでいます。
感染が再び拡大するなか、集中治療室で手当てを受ける患者も多くなっていてシュパーン保健相が「第4波が本格的に到来した」と述べるなど、ドイツ政府は危機感を強めています。
ロシアでは死者過去最多に

ロシアでは、新型コロナウイルスの1日あたりの感染者の数が、政府の発表で、このところおよそ4万人に上っているうえ、4日には1日の死者が、これまでで最も多い1195人となりました。
ロシア政府によりますと、子どもが感染して亡くなるケースも増えているほか、一部の地方都市では病床の使用率が90%以上になるなど医療体制のひっ迫が伝えられているということで、政府内で危機感が広がっています。
ロシアでは新型ウイルスの感染拡大を防ぐため、11月7日までを企業などの休業日に定めていて、プーチン大統領は人口の3割程度にとどまっているワクチンの接種を国民に強く呼びかけています。
WHO “さらに50万人犠牲に”

WHO=世界保健機関は、ヨーロッパや中央アジアの一部の国で新型コロナウイルスのワクチンの接種が遅れていて、このままの状況が続けば来年2月までにさらに50万人が犠牲になるおそれがあるとしてワクチン接種を加速させるよう呼びかけています。
WHOヨーロッパ地域事務局は4日、管轄するヨーロッパとロシア、中央アジアなど53か国で先週確認された感染者の数は6%、死者の数は12%、いずれも前の週よりも増加したと発表しました。

WHOヨーロッパ地域事務局のクルーゲ事務局長は管轄する地域について「再びパンデミックの中心地になった」と述べ、強い懸念を示しました。
これらの地域ではワクチンの接種率が高い国がある一方、地域全体で接種を終えた人の割合は人口の47%となっていて、特にバルト諸国や東ヨーロッパの国々などで低い水準となっています。
WHOはこのままの感染状況が続けば来年2月までにさらに50万人が犠牲になるおそれがあるとして、各国に対してワクチン接種のペースを加速させるためあらゆる取り組みを行うよう呼びかけています。
日本 最少の水準続く “下げ止まり”傾向も
日本では、全国の感染者数がことしに入って最も少ない水準が続いています。
全国の感染者数がことしに入って最も少ない水準が続く中で、およそ3分の1の県では下げ止まりのような傾向が見られています。
NHKは各地の自治体で発表された感染者数を元に、1週間平均での新規感染者数の傾向について前の週と比較してまとめました。

全国では、ことし8月末から新規感染者数が減少に転じ、10月7日までの1週間は前の週に比べて0.55倍、10月14日は0.61倍、10月21日は0.62倍、10月28日は0.67倍、4日まででは0.80倍と10週連続で減少しています。
1日当たりの新規感染者数はおよそ212人と、ことしに入って最も少ない水準となっています。
また、新規感染者数は31の都道府県で減少傾向となっていますが、千葉県や岐阜県など16の県では下げ止まる傾向が見られています。
首都圏の1都3県の状況です。

○東京都
10月21日までの1週間は前の週の0.56倍、10月28日は0.59倍、4日まででは0.75倍と11週連続で減少していて、1日当たりの新規感染者数はおよそ19人となっています。
直近1週間の人口10万人あたりの感染者数は0.97人で、ことしに入って最も少ない水準となっています。
○神奈川県
10月21日までの1週間は前の週の0.49倍、10月28日は0.49倍、4日まででは0.73倍と10週連続で減少していて、1日当たりの新規感染者数はおよそ10人となっています。
○埼玉県
10月21日までの1週間は前の週の0.55倍、10月28日は0.66倍、4日まででは0.75倍と11週連続で減少していて、1日当たりの新規感染者数はおよそ9人となっています。
○千葉県
10月21日までの1週間は前の週の0.45倍、10月28日は0.52倍と9週連続で減少していましたが、4日まででは1.24倍となっていて、1日当たりの新規感染者数はおよそ9人となっています。
専門家「いい形で減少も対策を」
新型コロナウイルス対策にあたる政府の分科会のメンバーで、東邦大学の舘田一博教授は、次のように指摘しています。
東邦大学 舘田一博教授
「緊急事態宣言が解除されたあとも非常にいい形で減少が見られている。感染者数の増加が1週間、2週間続く状況が見られてきたら、リバウンドのリスクが高まっているということで注意していかなければいけないが、いまはまだ下げ止まりのような状態が続いていると考えてよいと思う。この低くなった感染者数をどれだけ維持できるかが大事になる。
ワクチン接種から時間がたって感染防御効果が下がり、ブレイクスルー感染や一定の人での重症化が見られている。また、ワクチンを接種したことと、感染状況が落ち着いてきたことで、気持ちが緩み、マスクをつけないで食事をして騒いでしまうなど、基本的な感染対策が取りにくくなっている状況があると思う。日本ではまだ、感染状況が落ち着いているが、市中にウイルスは潜んでいると考えられるので、基本的な感染対策はもうしばらく続けなければいけない」
コロナ ドイツの感染者数が最多 日本は最少続くも下げ止まり? - nhk.or.jp
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