ドイツ自動車産業連合会(VDA)は11月30日、ドイツ各州の電動車(注1)向け公共充電施設数や、急速充電施設数、公共充電施設1カ所当たりの電動車数(注2)などを発表した(同連合会プレスリリース)。
公共充電施設数では、ドイツ16州中で最も多かったのがバイエルン州の1万92カ所で、ノルトライン・ウェストファーレン州(8,861カ所)、バーデン・ビュルテンベルク州(8,123カ所)と続いた(添付資料表参照)。急速充電施設数では、バイエルン州の1,263カ所、バーデン・ビュルテンベルク州の1,248カ所、ノルトライン・ウェストファーレン州の1,012カ所だった。
VDAは、公共充電施設当たりの電動車数も発表した。計算上の数値が少ないほど当該州の公共充電施設が充実していることになる。最も少ないのはザクセン州(13.1台)で、ザクセン・アンハルト州(14.1台)、チューリンゲン州(14.6台)と東部ドイツが上位を占めた。一方、電動車保有台数では、ノルトライン・ウェストファーレン州(22万2,976台)、バイエルン州(18万9,175台)、バーデン・ビュルテンベルク州(17万6,369台)などとなっている。
VDAによると、本来ならば週に約2,000カ所の公共充電施設の新設が必要だが、実際は週に約250カ所の新設にとどまっているという。連邦ネットワーク庁の最新の統計では、11月1日時点の公共充電施設の数は4万9,207カ所で、急速充電施設(22キロワット以上の出力)は14.7%の7,214カ所だった。
ドイツ連邦議会選挙(総選挙)で第1党となった中道左派の社会民主党(SPD)と、環境政党の緑の党(Grünen)、中道リベラルの自由民主党(FDP)は11月24日に連立協定書を発表し(2021年11月26日記事参照)、その中で、2030年までにバッテリー式電気自動車(BEV)をドイツ国内で少なくとも1,500万台普及させる目標を掲げた。
VDAのヒルデガルド・ミュラー会長は今回のVDAの発表に際し、「新政権の野心的な目標達成のためには、充電インフラのさらなる拡充が必要で、公共充電施設は特に重要」と述べた。
(注1)バッテリー式電気自動車(BEV)とプラグインハイブリッド車。
(注2)今回のVDAの発表数値は全て2021年10月1日時点のもの。
(クラウディア・フェンデル、高塚一)
ドイツ自動車産業連合会、各州の電動車用公共充電施設数など発表(ドイツ) | ビジネス短信 - ジェトロ(日本貿易振興機構)
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