将棋の第6期叡王戦五番勝負が13日、東京都渋谷区の将棋会館で行われ、挑戦者の藤井聡太二冠(19)(王位、棋聖)が、叡王を保持する豊島将之竜王(31)に勝利し、叡王を奪取した。対局後に行われた藤井聡太三冠の記者会見の一問一答(全文)は以下の通り。
――叡王を奪取して、率直な感想は。
藤井 あまり実感がありません。フルセットになって、結果を残すことができて安堵しています。
――本局に臨むにあたって意識したことは。
藤井 フルセットは初めてでしたが、そういったことは意識せず臨みました。
――叡王戦の相手は豊島将之竜王でした。その点については。
藤井 第4局が完敗だったので、その反省を生かして、序盤で軽率な手がないように、一手一手しっかり考えようと思いました。
――藤井三冠は番勝負で負けたことがない。何を心がけているのか。
藤井 番勝負は一つ負けても終わりではないので、のびのび指せているかと思います。
――タイトルを重ねることの意味は。
藤井 タイトル数自体は自分としては気にしていません。去年からタイトル戦に出て、得たものが大きかったです。そういった経験を今回の番勝負で生かすことができました。
――初対局から6連敗した豊島竜王相手に短期間の間に盛り返した。なぜか。
藤井 内容的には押されている対局が多いので、盛り返した意識はあまりないです。ただ、今年の朝日杯で初めて豊島竜王に勝つことができて、それで王位戦と叡王戦に落ち着いて臨むことができたと思います。
――技術的に伸びた部分は。
藤井 まだ、わからないです。
――本局のおやつ「コロコロしばちゃん」をどう食べたのか。ペコちゃんの人形をもらった感想は。
藤井 「コロコロしばちゃん」はかわいらしい見た目だったのですが、じっくり食べるのも惜しいので、すぐにおいしくいただきました。不二家様から、ペコちゃんの人形はサプライズでしたが、家に飾れたらと思います。
――羽生善治九段がかつて七冠制覇をしている。ファンの期待はそこに集まっている。藤井三冠の八冠制覇の可能性は。
藤井 全冠については、現時点で意識することではないですが、一つの理想ではあるので、そのために実力を高めていきたい。より実力を高めた上で、そういったところに近づくのは理想だと思います。
――豊島竜王と向き合うことで得たものは。
藤井 自分にとって得るものが多いシリーズだったと思います。序盤や中盤の形の認識という精度で差をつけられたこともあった。改善して次につなげたい。
――豊島竜王という棋士は、長期的に見てどう向き合う存在か。
藤井 自分にないものを多くもたれている方。対戦する中で、自分として勉強して取り入れていけたら。
――三冠というのは羽生九段、谷川浩司九段、中原誠十六世名人、大山康晴十五世名人ら名棋士が成し遂げてきた。19歳で三冠に達したことについて。
藤井 過去に三冠になられた棋士は本当に偉大な棋士ばかりで、光栄に思っています。今まで以上に将棋に取り組む必要があると思います。
――時代を築く上でのプレッシャーや責任感というものはあるのか。
藤井 三冠という立場で身の引き締まる思いがあります。責任感というわけではなく、将棋は個人競技なので、自分の将棋にしっかり向き合っていきたい。
――叡王戦は電王戦(棋士と将棋ソフトの戦い)というルーツがある。そのことについては。
藤井 電王戦は将棋界を注目していただくことになった棋戦だと思うので、大きな意義があったと思いますし、今後は人間の方がコンピューターの長所を取り入れて強くなる段階だと思うので、自分がそういう将棋を体現できたらいいなと思っています。
――(地元の愛知県)瀬戸市民への喜びのメッセージは。
藤井 瀬戸市のみなさんにいつも応援いただいて、励みになっています。
――竜王戦への抱負は。
藤井 叡王戦や王位戦の反省を生かしていきたいと思います。
――おやつを含めて叡王戦はいかがでしたか。
藤井 不二家さんにおやつを提供いただく形になって、毎局、楽しみにしていました。対局中にお菓子をいただくことで、リフレッシュして対局に臨むことができました。
――実感は、どれくらいたつと湧くものか。
藤井 先ほど、花束や人形をいただいて、少し実感が湧いてきたというのもありますが、現状で満足してしまっては良くないと思うので、そういったことはこれからも意識せずにこれからも前を向いていけたら。
――(対局を)視聴したみなさまにメッセージを。
藤井 今回、叡王を獲得することができて、とてもうれしく思っています。得るものが多いシリーズだったので、竜王戦を始め、今後の対局に生かしていきたいです。
「タイトル数自体は気にしていない」「全冠は一つの理想」…藤井三冠が記者会見 : 囲碁・将棋 : ニュース - 読売新聞
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