世界トップレベルの研究力を目指す大学を支援する１０兆円規模の「大学ファンド」を巡り、支援する大学の要件などを示した政府の最終案の概要が判明した。支援校数は段階的に増やし、支援額は外部資金の獲得実績などに応じて決めるとしている。
１０日に開く政府の総合科学技術・イノベーション会議の専門調査会で示される。
大学ファンドは科学技術振興機構に設置され、今年度中に運用を始める予定だ。新たに「特定研究大学」を数校指定して段階的に増やしていき、２０２４年度以降、ファンド運用益から資金を配分する計画だ。
案では、特定研究大学の要件として〈１〉国内外の優秀な博士学生を獲得〈２〉世界トップクラスの研究者が集う研究領域の創出・育成〈３〉若手研究者が独立して活躍できる場の提供――などを挙げた。支援額は「１校あたり年数百億円規模」としたが、具体的な額は外部資金の獲得実績などに応じて決めるとした。
特定研究大学には、企業との共同研究や寄付金などで得た収入で年３％の成長を目指すよう求める一方、大学の裁量を高める規制緩和を進める必要性を指摘している。大学の実績によっては、支援の打ち切りや減額の可能性もあるとしている。
大学ファンドは、岸田政権の成長戦略で柱の一つに位置づけられ、２１年度補正予算案などで１０兆円の原資を確保するめどがついた。政府は、ファンドで毎年３０００億円の運用益を出すことを目標に掲げている。
【独自】「大学ファンド」支援校数を段階的に増加、外部資金に応じ配分…政府案 - 読売新聞
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