大柄な体を生かした豪快な芸風で「助六」の敵役・意休などを演じ、口上でのユーモアなどで人気のあった歌舞伎俳優の市川左団次(いちかわ・さだんじ、本名・荒川欣也=あらかわ・きんや)さんが15日、肺がんで死去した。82歳だった。
尾上菊五郎さんのコメント
本当に突然の 報 せでしたので、驚きと共にさみしい気持ちでいっぱいです。今日、左団次さんに会ってきましたが、側にいてお顔を見ているといろいろな思い出が胸にこみ上げてきました。年代も近いので、小さい時から一緒でしたし、今に至るまで共に数多くの舞台に立ちました。役者としても人間としても明るく優しい、茶目っ気もある、素晴らしい仲間です。五月、六月の歌舞伎座でご一緒できるのを楽しみにしていました。今はゆっくり休んで欲しいと只々願うばかりです。
市川團十郎さんのコメント
昨日訃報を聞いて、愕然としました。左団次のおじさまは、私が生まれた時からお世話になった大恩人です。特に「助六由縁江戸桜」で私が初めて助六を勤めた際にも、左団次のおじさまが出て下さいました。その時の感謝はもちろんのこと、舞台で 対峙 した時のあまりの大きさに驚いた記憶が、今も鮮明に残っています。もちろん父團十郎とも仲が良く、父と左団次さんが遊ぶ時には私も誘っていただき、 可愛 がっていただきました。また昨今では、市川宗家としての私に対して、「市川宗家である」ということを左団次さんは行動で示し続けて下さいました。言葉では言い表せない感謝があります。そして昨年十一月、十二月の團十郎襲名では、二か月間お付き合い下さり、 倅 の「外郎売」では朝比奈を、私の「助六」ではくわんぺらを、そして十二月の「口上」では襲名の披露の口上をしていただきました。本当に感謝してもしきれません。私自身はもとより、歌舞伎界にとりましても大変な損失です。この悲しみは、言葉では言い表すことができません。心よりご冥福をお祈り申し上げます。
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市川左団次さん死去に尾上菊五郎さん「さみしい気持ちでいっぱい」…團十郎「大変な損失」 - 読売新聞オンライン
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